それは、共働きの我が家にとって最も忙しい月曜日の朝のことでした。洗濯機を回しながら朝食の準備をしていた私は、脱衣所から聞こえてくる「ピチャピチャ」という不自然な音に気づきました。嫌な予感がして駆けつけると、そこには洗濯機の足元から溢れ出した濁った水が、既にフローリングの継ぎ目まで浸食している光景がありました。洗濯機排水あふれるというトラブルが、これほどまでに絶望的な気持ちにさせるとは想像もしていませんでした。まず何よりも先に洗濯機を止め、コンセントを抜きましたが、一度溢れ出した水の勢いはすぐには収まりません。タオルを何枚も投入し、必死で水を吸い取りましたが、洗濯槽の中に残っていた大量の水が次々と床に供給される様子を見て、私は自分の管理不足を痛感しました。落ち着いてから原因を探ってみると、排水口のトラップに数年分の糸くずと、子供がポケットに入れっぱなしにしていたヘアピンが絡まり、そこに粘土のような汚れがびっしりと付着していました。これまで洗濯機本体のゴミ取りネットは掃除していましたが、床にある排水口の中まで掃除が必要だという認識が完全に欠落していたのです。この出来事以来、我が家の掃除ルーチンは劇的に変わりました。三ヶ月に一度は必ず、洗濯機を少しずらして排水口の蓋を開け、中の筒状のパーツを古歯ブラシで磨き上げるようになりました。また、排水ホースの中に溜まったヌメリを落とすために、定期的に専用の洗浄剤を流し込むようにもしています。あの時、もし階下にまで水が漏れていたら、あるいは電化製品がショートして火災に繋がっていたらと考えると、今でも背筋が凍る思いがします。洗濯機排水あふれるという事態は、決して他人事ではなく、メンテナンスを怠ればどの家庭でも起こりうるものです。床を拭き上げながら感じたあの虚しさと疲労感を二度と味わわないために、そして大切な家を守るために、目に見えない排水経路の状態に気を配ることの大切さを、私は身をもって学びました。