朝の忙しい時間、顔を洗おうとしたら洗面台の水が流れずに溜まっていく。そんな経験は誰にでもあるのではないでしょうか。洗面台のつまりは、ある日突然起こるように見えて、実は日々の生活の中で少しずつ原因が蓄積された結果であることがほとんどです。その主な原因は、私たちの体から出る髪の毛や皮脂、そして石鹸カスや歯磨き粉です。これらが排水管の内部で絡み合い、粘土のようなヘドロ状の塊となって水の通り道を塞いでしまうのです。 この程度のつまりであれば、市販の液体パイプクリーナーを試してみる価値はあります。髪の毛などを溶かす成分が含まれており、軽度なものであれば注いでしばらく放置するだけで流れが改善されることがあります。しかし、ここで注意したいのが、針金や割り箸といった固いものを無理やり排水管に突っ込む行為です。これは詰まりをさらに奥に押し込んで事態を悪化させたり、排水管そのものを傷つけて水漏れという二次被害を引き起こしたりする危険性が非常に高いので、絶対にやめましょう。 もしパイプクリーナーを使っても全く効果がない、あるいは水が完全に流れず溢れそうといった状況であれば、それはもう自分で対処できる範囲を超えています。ためらわずにプロの水道修理業者に連絡するのが最も賢明な判断です。業者は、家庭用の道具とは比較にならない強力な薬剤や、ワイヤーの先端に特殊な器具がついた道具、場合によっては高圧洗浄機などを用いて、配管を傷つけることなく安全かつ確実に詰まりを解消してくれます。 そして、最も重要なのはトラブルを未然に防ぐことです。排水口に髪の毛をキャッチするネットやフィルターを設置するだけで、詰まりの最大原因である髪の毛の流入を大幅に防ぐことができます。また、月に一度程度、予防的にパイプクリーナーを使用するのも効果的です。日々のちょっとした心掛けが、突然のトラブルと余計な出費からあなたを守ってくれるのです。