トイレから聞こえる「ゴー」という異音の正体
水を流した後、いつもならすぐに静かになるはずのトイレから、いつまでも「ゴーッ」という低い音が鳴り響いている。あるいは、誰も使っていないのに、突然壁の中から轟音が聞こえてくる。この不気味な異音は、トイレのどこかで水が流れ続けていることを示す、重要な警告サインです。その発生源はいくつか考えられますが、ほとんどの場合、トイレタンクの内部に原因が潜んでいます。最も一般的な原因は、タンクの底で水の流れを止めたり流したりする「フロートバルブ」または「ゴムフロート」と呼ばれる部品の不具合です。このゴム製のフタが、経年劣化で変形したり、ゴミや水垢が挟まったりして、排水口を完全に塞ぎきれなくなると、タンク内の水が便器へ向かってチョロチョロと、あるいはゴーッと音を立てて流れ続けてしまうのです。次に考えられるのが、タンクに水を供給する役割を担う「ボールタップ」という部品の故障です。タンク内の水位を感知する浮き球(フロート)や、給水を制御する弁が正常に作動しなくなると、水が満タンになっても給水が止まらず、余分な水がタンク内のオーバーフロー管を通って便器に流れ続けます。この時の水の音が「ゴー」という異音として聞こえるのです。また、あまり一般的ではありませんが、壁の中を通っている給水管や排水管で何らかの問題が起きている可能性もゼロではありません。いずれにせよ、「ゴー」という音は、水が絶えず流れ続けている証拠であり、水道料金の無駄遣いに直結します。放置すれば、月々の水道代が数千円、場合によっては数万円も跳ね上がることもあります。この音に気づいたら、決して放置せず、迅速な原因究明と対処が必要です。