毎日の家事に欠かせない洗濯機が、ある日突然動かなくなる。これは、家庭にとっての一大事です。洗濯カゴにたまっていく衣類を前に、多くの人は「修理すべきか、それとも思い切って買い替えるべきか」という大きな決断を迫られることになります。焦って誤った判断をして後悔しないために、修理と買い替えのどちらが賢明かを見極めるための、いくつかの重要な判断基準を知っておきましょう。 まず、最も大きな判断材料となるのが「使用年数」です。洗濯機の設計上の標準使用期間は、多くのメーカーで七年前後と定められています。これは、製品を安全に使用できる目安の期間であり、一つの寿命と考えることができます。もし、お使いの洗濯機がこの年数を超えているのであれば、修理よりも買い替えを検討する方が賢明な場合が多いです. なぜなら、経年劣化は一つの部品だけでなく、モーターや基板、ベルトなど、全体に及んでいる可能性が高く、一箇所を修理しても、またすぐに別の箇所が故障するという「いたちごっこ」に陥りがちだからです。 次に、故障の「症状と修理費用の見積もり」を考慮します。例えば、電源コードの断線や給水ホースの詰まりといった比較的軽微なトラブルであれば、数千円から一万円程度の修理費で済むこともあります。しかし、洗濯機の心臓部であるモーターの交換や、全ての動作を制御する電子基板の交換となると、修理費用は三万円から五万円以上と高額になります。この金額を古い洗濯機に投じるのであれば、少し予算を追加して、最新の省エネ・節水モデルに買い替える方が、長期的に見れば光熱費の節約につながり、結果的にお得になるケースも少なくありません。 最終的な判断を下す前に、まずはメーカーのサポートセンターや修理業者に連絡し、症状を伝えておおよその修理費用の概算を確認しましょう。その上で、使用年数と天秤にかけ、「まだ使える」という愛着だけでなく、長期的なコストパフォーマンスという視点を持つことが、後悔のない選択につながるのです。