スタートボタンを押しても、うんともすんとも言わない洗濯機。大量の洗濯物を前に、途方に暮れてしまう前に、まずは深呼吸をしていくつか確認すべきポイントがあります。実は、洗濯機の「故障」と思われたトラブルの中には、専門業者を呼ぶまでもなく、ごく簡単なセルフチェックで解決できるケースが意外と多く含まれているのです。高額な出張費や修理費を支払ってしまう前に、ぜひ一度、以下の項目を試してみてください。 まず、最も基本的で見落としがちなのが「電源と水道」の確認です。洗濯機の電源プラグは、コンセントにしっかりと差し込まれているでしょうか。振動で緩んでしまうことは珍しくありません。また、集合住宅などで他の電気製品と同時に使ったことで、ブレーカーが落ちてしまっている可能性もあります。次に、水道の蛇口が完全に開いているかも確認しましょう。何かの拍子に閉まってしまっていたり、中途半端にしか開いていなかったりすると、給水エラーで洗濯機は停止してしまいます。 次にチェックしたいのが「エラー表示」の有無です。最近の洗濯機の多くは、何か異常が発生すると、操作パネルに「C01」や「E25」といったアルファベットと数字を組み合わせたエラーコードを表示してくれます。これは、洗濯機が「今、こんな理由で困っています」と教えてくれているサインです。すぐに諦めず、まずは取扱説明書やメーカーのウェブサイトで、そのエラーコードが何を意味するのかを調べてみましょう。「排水ホースが折れ曲がっている」「糸くずフィルターが詰まっている」といった、工具不要で自分で簡単に直せる原因であることも少なくありません。 特に、排水フィルターの詰まりは、脱水ができない、水が抜けないといったトラブルの代表的な原因です。多くの洗濯機では、本体の前面下部にあるカバーを外すことで、簡単にフィルターを取り出して掃除することができます。 これらのセルフチェックを行っても状況が改善しない場合は、いよいよ本格的な故障が考えられます。しかし、その場合でも、これらの確認作業は、業者に症状を正確に伝える上で非常に役立ちます。慌てて電話をかける前に、まずは自分でできることを試す。その冷静な一手間が、不要な出費を防ぐ最も確実な方法なのです。